アメリカで食う見る遊ぶ
2002年12月31日午後10時のタイムズスクエア1キロ手前。延々詰まっている人、人、人!

ホリデーシーズン、楽しんだ?

ハッピー・ホリデー!と言うのが、ニューヨークでの12月の挨拶だ。メリー・クリスマスはキリスト教に限定した言葉になっちゃうので言わないんだ そうだ。
この時期ユダヤ教のお祭りもあるし、ニューヨークに暮らす人は人種も宗教も 様々。そんな点に気を使わなくてはならないのは、年末はみんながにわかクリスチャ ン のようになる日本とはちょっと違う。

「ロックフェラーセンターのツリーの点火式、見た?」
「デパートのショーウィンドーがキレイでしょうね!」
「タイムズ・スクエアのカウントダウンには行くの?」

ニューヨークに居る人居ない人、たくさんの人から色々教えられた。この時期の ニューヨークには、誰もがそれぞれのお気に入りを持っているようだ。

バーニーズはシェール特集

バーニーズ」はクリエイティブ。「サックス」や「ロード&テイラー」は伝統 的な感じ。「バーグドルフ・グッドマン」は毎年すごく豪華でセクシー。5番街に 並ぶデパートのショーウインドーの詳しい解説も貰った。見に行ったら本当にそ の通りのディスプレイだった。恐れ入りました。
サックスは人形劇で童話を表現  バーグドーフのSexyお姉さんマネキン

年末年始の休暇を利用して、友達も次々やってきた。日本から来た人たちはコー トが薄くて、寒そうだった。でもみんな目を輝かせてバーゲンに突撃! 店から 店へと走り回るようにして、ホント元気。旅行の時ってこうだったよなー。旅行 大好きOLだった私は、懐かしく思い出して、一緒になって浮かれていた。

誰もが勧めてくれたセントラルパークのレストラン「タバーン・オン・ザ・グ リーン」にも行った。どのガイドブックにも載っていて、ジョン・レノンの誕生 会が今も行われているという超有名レストランだ。大きなお店を取り巻くように、 リムジンやタクシーが並び、クロークにはコートを預ける人の列、予約の確認に も大行列、やっとテーブルにたどり着いた時にはへとへと…。という大変な混雑 ぶりだった。
タバーン・オン・ザ・グリーンのきらめくダイニングルーム  中庭も食事を終えた人でいっぱい。

噂どおり店内も庭もイルミネーションの満艦飾で、壁一面の鏡がそれを反射して キラキラ輝く。お客さんには家族連れが多くて、着飾った子供達が大人に混ざっ て、おすましして食事をしている。セクシードレスのお姉さんや、カウボーイハット のおじさんもいた。「今日は楽しむために来たんだ!」というお客さんの気合が満ち る中、光の渦に囲まれるように食事するのは楽しかった。

そして、ニューイヤー・イブ(大晦日)恒例のカウントダウンは…。
「踏みつけられてもいいよう、丈夫な靴を履いて行くんだよ」
「人でいっぱいで出られなくなるから、なるべく水分は取らないで」
「一番いいのは、紙おむつをして行くことさ」←けっこうマジで言われた。

真夜中に行われるカウントダウンの中心に居るためには、昼過ぎから場所取りする必要があるんだそうだ。零下になる真冬の屋外で、ぎゅう詰めの立ちっぱなしで身動きも出来ないとか。
アドバイスをくれたアメリカ人達に「そりゃすごい。行ったことある の?」と聞くと「行ったことある人から話を聞いただけ」と笑う。

私は、夜の10時半頃に延々2キロくらいぎっしり詰まった群集の最後尾に行って、 後ろからぱちりと写真を取って退散した。そんな端っこあたりでも、警備のお巡りさ んも含めて、みんなもうノリノリだった。三角帽をかぶって、ピーピー笛吹いて、う るさいうるさい。そんな中に居るだけで、なんだかウキウキしちゃうんだよね。
セントパトリック教会のハレルヤコンサート

大騒ぎのカウントダウンを迎え、花火が上がり、そこいら中の物を紙ふぶきにし て撒き散らした後は、すっきりさっぱりと新年を迎える。 1月1日はお休みだけど、お店もオフィスも1月2日から通常営業。休暇で来ていた友達 も帰って行き、クリスマスツリーは一斉回収された。

後に残ったのは、イルミネーションの消えた冬の街と、私。
年末が楽しかっただけに、淋しさがこたえます。
2003年1月5日:ゴミになったクリスマスツリー。くすん。

written by 篠田なぎさ(⇒ プロフィール



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