アメリカで食う見る遊ぶ
バッテリーパークのダンスイベント09.12.02

フリーコンサートでいい気分

そろそろ、フリーコンサートなるものに行ってみようかな。情報誌や新聞、ニューヨークチャンネルTVなどでは、イベントのお知らせがあふれている。その中にはFree!という文字もちらほら見える。タダでこんなに色々イベントが楽しめるなんて、とってもお得じゃないの…? 常々そう思っていた。

そんなイベント初心者の強い味方が日本語情報誌だ。イベントのお知らせは簡単に載っているだけだけど、何せ日本語は早く読めるのがありがたい。ぱぱっと目を通して興味を持ったものは、ウェブサイトでチェックして詳細を知ればいいのだ。日本語のフリーペーパーは日本食スーパーや日本食レストランの店頭に置いてあるので、私は買い物や食事の用も無いのによく店頭に行く。せっかく外国に来ているのだから何もわざわざ高い日本の店に行かなくても…なんて思っていたけど、情報がタダで得られるのなら話は別だ。

この椅子どこで買うのかな?

さて、初めて行くフリーコンサートは某ダンスイベントに決めた。September11の追悼に、グラウンドゼロの隣の公園で、色々なダンスカンパニーが日替わりでパフォーマンスをするというのだ。私も名前を知っているような有名どころも出るし、小さな舞踏団が次々出てくる日もあるという。September11の一周年を終えた人たちの表情も見たくて、その翌日のパフォーマンスを見に行くことにした。どんな雰囲気なんだろう? ドキドキ。
公園で突然始まったミニコンサート

ウェブサイトのFAQを見ると、「会場の床は固いので、毛布を持ってくるといいでしょう」と書いてある。ラグビー場のようなところで、石の椅子に座って見るのかな? 私は勝手に想像してタオルを持って出かけた。毛布は無かったんだもん。

会場に行ってみると、そこはただの公園だった。公園の真ん中に大きな舞台が作ってある。観客はその前の芝生に思い思いに座ったり寝転んだりしている。芝生は所々禿げているので、確かにそんなところに座っちゃうとお尻が痛いかもしれない。それにちょっと冷たいしね。というわけで持参するのは毛布よりビニールシートか新聞紙の方がよかったみたいだ。毛布やタオルだと土がついて汚れちゃうし。会場で配っているイベントのポスターを敷いている人もいた。今から出てくるプレイヤーの顔の上に座るなんて、私にはちょっとお行儀悪く見えたんだけどね。

いよいよイベントが始まる。司会者が出てきて冠スポンサーの名前を延々読みあげる。フリーだから仕方ないか。みんなおとなしく聞いている。演奏が始まっても拍手はするけど立ったり跳ねたりする人はいない。思い思いの格好で座ったり寝転んだりしたまま、ゆったりと見ている。お弁当を広げているグループもある。いい演奏にはちゃんと拍手をするし、楽しかったら囃したりもする。つまんないといつの間にか隣の人とおしゃべり始めたり。そんなさりげないノリはけっこう楽しいものだ。

それからは都合さえつけばフリーイベントに行くようになった。お昼寝がてら公園に出かけるのはすごく気持ちいいし、音楽付きならなおさらだ。昼から夜までかかるような長いイベントの時には、肘掛付きの立派な折りたたみ椅子を持ってきている人たちがいた。芝生に新聞紙は長丁場にはやっぱり辛いけど、あれがあれば一日中だっていられるだろう。どこで買うんだろう?
面白ければチップをください:
ストリートの縄抜け芸

屋外のイベントは夏限定でそろそろ終わりかなと淋しく思っていたら、本とレコードを売るバーンズ&ノーブルズのイベントを見つけた。新作を出すミュージシャンや作家が、演奏(朗読)してサイン会をするのだ。毎日けっこう有名どころがやって来る。こちらはちゃんと椅子も置いてあるのが嬉しい。ミュージシャンのトークや作家の朗読を聞けば英語の勉強にもなる…かな?

わざわざ日時を調べて出かけなくても、地下鉄の駅や散歩している公園、歩行者天国の大通りでパフォーマンスに出くわすことはよくある。 気に入れば足をとめて聞き、満足すればチップをあげる。それで何となくいい気分になれるのだから、嬉しいよね。

written by 篠田なぎさ(⇒ プロフィール


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