ポルトガルへイワシを食べに |
9.自分で歌ったバースデイソング (by G) ホテルからのカードとシャンパンとケーキ。Gからもらった事はないんだけどね。 その日のディナーはホテルのダイニングで食べることにして、ケーキとシャンパンを持ち込んだ。香港のレストランでお酒の持ち込み料を取られたことがあるが、そんなことはなくて、フロア係りの人たちは喜んでサーブしてくれた。それどころか、テーブル担当のおじさんがハッピー・バースデイを歌ってくれると言う。 …と、実はここまでは想定していた。驚いたのはこのおじさんがしのに一緒に歌おうと言ったこと。ノリの良さが身上のしのも笑った顔が固まった。しかし戸惑いながらも歌い始め、曲のおしまいには「ハッピー・バースデイ・トゥー・ミー」と3度上をハモる日本人ならではの協調性とカラオケ根性を見せたのはさすがだった。 丁寧にケーキを切り分けてくれるウエイターさん。この後一緒に歌ったのだ。 しのはいわし食べたさにポルトガルに行ったというが、まあぼくも似たようなもの。エジプトに駐在している日本人に 「休みにはよくポルトガルに行く。海がきれいで、ご飯が日本人には特に美味しく感じられるから」と聞いて、一度行きたいと思ってた。 カジュアルなお店で食べさせるシーフードのグリル料理は塩とレモンくらいしか使っておらず、醤油をかけたくなるくらいシンプル。これがたいへん美味しいのは素材のせいか?「タコのおじや」なんてタコの淡い味わいでご飯を食べさせる、まるで日本料理のような繊細さ。アルガルヴェ地方の名物だという「カタプラーナ」もアルマカオ・デ・ペラの海辺のレストランで食べたが、これも優しく、それでいてゴージャスな味だった。 ポルトガルのお酒も新たな発見だった。スペインのシェリーと似ているがもう少しすっきりした感じの白のポルトを食前に飲むと極めて美味、イタリアのグラッパに似たアグアデンテは、食後に一杯いただくと痺れるような味覚と嗅覚を楽しめる。これまで赤のポルトやマデイラくらいしか知らなかったのが悔しい。 ポルトガルのワインの瓶は、なぜかみーんなホコリまみれ。 ところで2つ星「ヴィラ・ジョヤ」はまた別次元の話。ここのランチは、青く光る海、波と風の音、潮と太陽の匂い、そして最高の料理、月並みだが「夢を見ているような」経験だった。 さて、最後のリスボンの夜はホテルのコンシェルジュに聞いて、近所の「33」というレストランへ。気合の入った高級店でもなく観光客向けの各国語のメニューを置いた店でもなく、地元の人がノンビリ食べて飲んでる古くからある居酒屋ふうの店。たんたんとした料理とサービスは等身大のポルトガルを思わせる内容で、旅の最後に相応しい晩餐だった。ホテルに戻りアグアデンテを部屋に運んでもらい、部屋の天井がグラグラしてきたところで、ポルトガルの旅はおしまい。 旅行最後のレストラン33の、柔らかい肉が美味だった鴨ライス せっかくアメリカに来たんだからもっとアメリカ国内を見て回らないのか?とアメリカ人からも日本人からも言われる。LAフロリダラスベガス。シカゴのブルース、ニューオリンズのジャズ。国立公園の雄大な自然。…しかしアメリカは都会で高い金を出さないと美味しいものにありつけない(独断)。旅先で美味しいものを「食い倒れ」できないのなら行く価値がない(偏見)。 というわけで、普段お世話になっているアメリカの皆さんごめんなさい。つかの間の脱アメリカ、満喫してまいりました。 |
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