最近のトホホホホ…
どれが私のかしら!? プレゼントの山を前に大はしゃぎ

シークレットサンタで大騒ぎ

「シークレットサンタするから、これ一枚引いて」。ダイアンがクジの入ったボウルを私に差し出した。折りたたまれた紙切れを取って開けると、そこには「ダイアン」と書いてある。偶然にドキドキしながら「シークレットサンタってなあに?」と聞くと、「そのシークレットパーソンに25ドル以内でサプライズプレゼントを買ってね」と言う。

ちょっと日本ぽいモノあげればいいかと、その週末に日本物グッズ専門店で、ちり緬の風呂敷と浮世絵サイフを買ったんだけど、どうも違ったみたいだ。
というのは、ステイシーからこっそりと「私が当たったアレックスは、この前なんとかって言う日本映画が忘れられないと言っていたので、DVDをあげたいの。買えるかしら?」と相談されたから。つまり、本当に本人が欲しがってて、びっくり大喜びするようなものをあげなきゃいけないって事なのかしら…!?ダイアンがちり緬の風呂敷を欲しがってるとも思えないし、どうしよう…。
泥の河アメリカ公開時のポスターはみつかったんだけど…
ちなみにアレックスの思い出の映画は小栗康平監督の「泥の河」のことで、1981年の映画だ。当時アカデミー賞にノミネートされた名作で、映画好きのアレックスはその頃米国で公開された映画を見て、もう一度見たいと思っているらしい。検索サイトを使っていろいろ調べたんだけど、日本語版のビデオは廃盤で、DVDは出ていないのだ。残念。

泥の河を探す手伝いをしながら、私はダイアンの好みをどうやって探ったらいいのか、途方に暮れていた。そうランチタイムに漏らすと、イブが言ったのだ。
「シークレットサンタから何をもらいたいか、みんなで言いっこしよう!」 これはラッキーだった。しかもダイアンは、私の隣に座ってた。
私は彼女の希望の「シープスキンスリッパ」を聞き出し、オフィス一のお買い物女王ジュネールにダイアンの足のサイズと予算内で買える店まで教えてもらって、今年は絶対この色が流行りだから!とのお勧めに従って、ピンクのスリッパをゲットしたのだった。

その言いっこの時に「シノは?」と聞かれて、私は迷わず「サキ!(=酒)」と叫んだんだけどね。実際にプレゼント交換でプレゼントの包みを開けたら、アメリカで流行っている「ボンサイキット」が入っていて笑った。
脅迫状みたいに切り貼りしてある宛名にも笑った プレゼントを開けた人は、シークレットサンタが誰なのか、3人まで挙げて当てる事ができる。当てた人は少なかったけど、私は「ディーン!」と一発で当てちゃったよ。みんな「東洋人の第六感はすごい!」なんてビックリしてたけど、私にしてみればあの時のランチにいなくて、ちょっとアジア趣味の人だと思えば簡単だった。ディーンはチャイナガールが好きと公言している変な奴なのだ。

仕事を早く切り上げて、夕方5時前から始まったプレゼント交換に、たっぷり1時間かけて盛り上がって、その後みんなでパーティー会場のレストランへと繰り出した。会場へは社員の家族や恋人も招待されていて、お互い紹介したりされたりで、名前を覚えるのも大変だ。名前が覚えられないのはアメリカ人たちも一緒みたいで、このパーティーにリリーは新しいボーイフレンドのフレッドを連れて来たんだけれど、みんな彼のことを昔のボーイフレンドの名前で呼ぶので困っちゃったと嘆いていた。それもアントンとかデビットとかスティーブとか様々で、「キミはいったい何人の男をここに連れてきたの?」とフレッドにあきれられたとか。

私はこのパーティーの時、ジルとフィアンセのグレンにこっそり、予算の関係でみんなを招待できるわけじゃないからナイショだけど、来年夏の結婚式には来てねと誘われた。彼女の親戚の前で恥ずかしくないように、パーティーでもすいすいしゃべれるように、絶対それまでに英語流暢になっていようと私は決心した。

written by 篠田なぎさ(⇒ プロフィール




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