アメリカ式ダイエット、2つの方法
最近話題になったアメリカ式ダイエットのひとつは、胃を切除してしまうという方法だ。
胃を切って縮め、容量を100gほどにする。それを越えて食べるとひどい悪寒に襲われるようになるという。十二指腸と小腸の上部を飛ばして、胃の下部と腸を直接つなぎ、栄養の吸収をさらに悪くすることもする。
身長163センチで153キロだったマンハッタン選出の下院議員ジェロルド・ナドラー氏は、今年の夏にこの手術を受け、すでに30キロ近く減量した。
ABCニュースの人気お天気おじさんアル・ロッカーも、急に痩せ始めたのはこのダイエット法のおかげなんだと、スタジオでかつての145キロの自分の等身大のポートレイトの横に立ち、同じポーズを取っておどけて見せた。
ふたりとも階段の上り下りが苦痛で地下鉄には乗らず、数ブロックも歩けず、ナドラー氏は議会で投票する時に壇上に行けないので、エレベーターに乗っていたという。
「まだ死にたくなかったから」「孫が大きくなるのを見たかったんだ」と手術を受けた動機をふたりはそれぞれ語る。笑って受け流してはいたけれど、「よたよた歩きのジェリー(Jerry waddler)」などと言われるたびに、どんなに傷ついていたかも。
でもその前に、ダイエットコークをがぶ飲みしながら食べる400グラムのリブステーキとフライドポテト。食後のデザートも欠かさず、さらにチョコレートクッキーや、ホットドック、サンドイッチなどを絶えず間食する…。こんな食習慣を何とかできなかったの?と聞きたくなるのであるが。
もうひとつの方法は、裁判だ。8人のニューヨークの肥満児達が、マクドナルドを相手に訴訟を起こした。
グレゴリー君(15歳)は体重180キロ、ジャズリンちゃん(19歳)は120キロ。
マクドナルドのスーパーサイズが大好きだった。おまけにつられて買わされた。マックマフィンを朝に、ビックマックとアップルパイを夜に食べていたら、肥満と糖尿になってしまったというのだ。親まで法廷で宣誓して、「店に成分表示が無いので、マクドナルドのものは子供達の健康にいいんだと信じていた」と言ったという。
食べたいだけ食べておいて、あとは胃の切除か、裁判。最近のアメリカ式ダイエットは、けっこう簡単だ。しかし、胃の切除手術は、費用が250万円もかかって高価だ。まずは裁判をして、胃の切除手術の費用を稼ぐ、という方法がいいのかもしれない。
参考)
下院議員ジェロルド・ナドラー氏(写真はダイエット前と思われる)のウェブサイト
お天気おじさんアル・ロッカー氏と料理レシピ本
肥満児達の訴訟を伝える記事(New York Post)
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