アメリカ三面記事便り |
アメリカで一番人気の家族:オズボーン一家 そんなオジー・オズボーンが音楽で復活。また豪邸に住めるようになった。そして、妻シャロンと10代後半の娘ケリーと息子ジャック、沢山のペット達との生活に、テレビカメラを入れて中継を始めたのだ。その内容は、「スターのお宅拝見」といった日本のショー番組とはだいぶ違う。まず驚くのは炸裂するピー音。彼らの言葉遣いがあまりに悪いので放送できないのだ。そして、汚く散らかっている豪華な内装のお屋敷。家族みんなで物を足で蹴ったり、投げたり壊したり。しつけの悪いペットたちが高そうな絨毯の上にタレ流して、まるで臭ってきそうだ。 それなのに、オズボーン一家は大人気。ホワイトハウスのディナーパーティーに招待され、大御所キャスターのバーバラ・ウオルターズが「2002年の10人」にお父さんのオジーを選んで特別番組でインタビューし、ニューヨーク・タイムズの「2002年を振り返る」という特集では、「オズボーン一家は我々そのものだ」とまで言っている。 オジーや妻シャロンと同年代のアメリカのベビーブーマー達が、この家族にすごく共感しているという。彼らは保守的な親の元で、親に反発して育ち、今は子供のことで気を揉んでいる。父オジーが出かけようとする娘に「アルコールやドラックをしてはいけない。セックスの時はコンドームを使うんだ」とモゾモゾ言う。自分自身が悪い見本なのだから、この言葉にはなかなか説得力がある。 妻のシャロンは番組の途中で、大腸ガンの宣告をされた。ベビーブーマー達はこの場面を見て、老いつつある自分達の年齢を自覚するという。 犬のお尻の匂いをクンクン嗅いだり、台所でひとり歌いながら料理を作ったり。一家の中で一番ヘンなのは父オジーで、子供達はけっこうまともだ。忠告には一応頷き、機械に弱いお父さんに代わって豪華TVセットのリモコン操作をしてあげている。こうして子供達がちゃんと育っている様子にも、アメリカ人たちはファンタジーを感じるのだという。 2003年からは、日本でもこの番組は放映される。果たして、日本の団塊の世代もオズボーン一家に共感するのだろうか。 参考) 「The Osbournes 」(MTV) 「オズボーンズ」(MTV・ジャパン) |