クルーズ大好き! だからたまにしか行かれないクルーズ旅行はとことん楽しみたい。 セレブリティ・インフィニティで行ったアラスカクルーズの旅行記です。


3日目 ケチカンで寒さに震える

この日は朝の7時にケチカンに到着し、4時出発の予定だ。特に何のエクスカ―ジョンも申し込まず、とにかく上陸してみる予定だ。船を降りたところで面白そうな地元のツアーに申し込んでもいいし、レストランだって何かあるでしょう。

今まで見た事も無いような風景の、アラスカの大地

朝5時半に目が覚めると、船は陸地に近いところを進んでいる。昨日は一日海の上だったので、陸地が見えるだけで嬉しくなる。

針葉樹が岸辺までぎっちりと迫るように生え、今まで見たことが無いような風景が広がる。これがアラスカなのか。陸伝いにここまで来るのは大変だろう。船に乗ったままこんな風景が見られるなんて、クルーズ旅行ってなんて便利でゼイタクなんだろう…。

ちなみに、アラスカ沿岸をクルーズ中にずっと目にすることになるこの針葉樹は、レッドシダーやシトカスプルス、ウエスタンヘムロック(つが)といった種類だそうだ。我が家の障子の桟に使われているスプルスはこの辺から来たんだろうか。このあたり一帯はアメリカ最大の国有林で、原生林のままなんだそうだ。

港にずらりと並ぶ、大型クルーズ客船

7時にはケチカンに着岸する。港にはこのセレブリティ・インフィニティの他に、大型客船が3隻も停まっていて驚いた。


カーニバルシンフォニー、ホランドアメリカ、そして懐かしのミレニアムに再会!

ケチカンなんて、林業と漁業の小さな町だろうに、夏のあいだ定期的に大型クルーズ船が来ることでどれだけ潤っていることだろう。日本にあまたあるさびれた港町も、こんな風に経済活性化できないものなんだろうか。

町を一周するローカルバスに乗り込む

ケチカンのクルーズポートはとってもよく整備されていて、船を降りたところから有料無料のいろんなバスに乗って、海辺でクマが鮭を取っているところを見に行ったり、木こりショーを見に行ったりできる。水上飛行機や水陸両用バスにだって乗れる。

ずらりと出店を出している地元の観光業者から、話は色々聞いたんだけどね。ケチな私たちはインフォでその辺をぐるっと歩いて回れるお散歩マップをもらって、町と近辺を一周しているローカルバスに乗り込んだ。

ローカルバスでは偶然ロスからサーモン釣りに来ているおじさんの隣に座った。もうすぐトーテムポールの公園に着くよとか、サーモンの遡上の季節もあと1週間くらいだから見ておいたらいいよとか、いろいろ教わる。

ものぐさな私たちはトーテムポールの公園では下りずに、バスの窓から写真だけ撮って、小さな市街地の方に戻る。遊歩道が整備されているようだったし、ご飯が食べられそうなのがこの辺だけだったからね。観光よりおいしい地元ごはん。これが私たちの(Gの)旅の鉄則なのだ。

サーモンラダーの鮭たちにビックリ、感動

私は地図に載っていた「サーモン・ラダー」に興味があった。ラダーといえばはしごのことだ。鮭のはしごってなんだろう?

川沿いの道を行ってみると、そこはほんとうにはしごのように急な滝だった。ふーん、と思って欄干に立ったら、隣の人が「あっ。見えた?」と言う。「ええっ、サーモン?」と聞くとそうだと言う。こんな垂直に近い滝をたまに鮭が昇っていくのだ。でも強い水流に押し戻されてかんたんに落ちてしまう。

こんな急な流れを登り切る鮭なんているんだろうか。そうとう体力の残っている鮭で、わずかなんだろうと思いながらさらに上流に行ってオドロイタ。

川底を目を凝らして見ると、あっちにもこっちにもたくさん鮭がいるではないか。みーんなあのラダーを登って来たってこと???

この鮭たちの姿には感動した。海辺や川岸で待ち構えているクマの一撃もかいくぐり、ここまであの滝を上がってきて、鮭たちは無事に卵を生めたんだろうか…。

ただ流れに身を任せているだけのお気楽サラリーマンGと、力をふりしぼって滝を登る鮭たちを見較べてしまった。もちろん、自分のことは棚に上げてね。

冷え切った体に、チャウダーとサーモンサンドイッチ!

鮭を見届けたくて川沿いにずっと上がったので、カラダがしんしんと冷えてきた。ユニクロのダウンジャケットは着ていたけれど、時おり小雨がぱらつくケチカンの川辺では、何と薄くて頼りなく感じたことか。

ブルブル震えながらレストランを探し、「オブライエンズ・パブ&カフェ」という店に入る。

何か温かいものを!と注文してチャウダーを貰う。舌を火傷したくらい熱かったけど、これでひとごこちついた。サーモンサンドイッチはアメリカで食べるにしては小ぶりだったけど、脂ののったサーモンがパンによく合って美味しかったよ。

ペイリンさん(立て看)にお目にかかる

船に戻る途中で土産物屋が並ぶ小さなショッピングセンターに寄った。2008年の大統領選で「アラスカからロシアが見える」と言って注目を集めた(ひんしゅくを買った)元共和党副大統領候補ペイリンさんがちゃんと居た。

でも喜んで写真を撮っていたのは私くらいで、周りのアメリカ人には人気が無かったな。

寒くて暖房。海風にも当たれない

午後はダンスのレッスンに出たくらいでずっと部屋で過ごす。本を読むには、暖房をゆるくかけて毛布にくるまるくらいがちょうどいい。昼も夜も蒸し暑くてまともな活動ができない酷暑の東京に較べたら、夏なのに寒さに震えるくらいのアラスカの方が断然いいとは思うけどね。せっかく夏なんだから外で海風に当たりながら読書するくらいはしたかったなあ。

ディナーの最中に、Gだけ目撃!

さて、晩ごはんだ! 昼の寒さに懲りたので、もう着ないだろうと思っていた年不相応にピンクの琉球絣を着こむ。夏は絶対締めない伊達締めまでして防寒体制万全だ。8月にひとえ何て掟破りだけど何と温かく快適に感じたことか。

食べたのは、マッシュルームとモッツァレラのミルフィーユ、ロブスターサラダ、鴨と蕪のスープ、牡蠣とレタスのスープ、ショートリブの赤ワイン煮込み、野菜のタルト。ポーションが少なめなので、皿数多く食べられる。


窓際に座っていたこのディナーの最中に、Gが突然目を見開いて息をのんだ。「クジラのしっぽが見えた!」というのだ。私が振り返った時にはもう消えていたんだけどね。距離があるはずなのに窓いっぱいになったくらいの大きなしっぽだったそうです。

この後色々な人の色々なクジラの目撃談を聞くことになるんだけどね。私は教えられたとおりの場所で教えられたとおりの方向を向いてじいっと目を凝らすのに、なかなか見ることができなかったので悔しかったよ。

充実のショータイム、爆笑のカップルクイズ!

ディナーの後はバーで歌うアカペラグループ545を堪能したり、ラウンジのラテンダンスパーティーに参加したり。セレブリティならではの充実の音楽ナイトだった。

Kimonoで踊る私の相手はGではなくプロのダンサー氏だ。光栄でした♪

ショーとショーの間には「カップルクイズ」ものぞいた。乗客の夫婦数組がお互いに聞こえないように「今までいたした中で一番の思い出の場所は?」といったエッチな質問に答えていくのだ。

「クルーズ船のバルコニー」と夫婦で答えていたカップルが見事優勝して、やんやの喝さいを浴びたんだけどね。クルーズのあいだ中、バルコニーを見るたんびに思い出しちゃったよ。こんなところでどうやって…!?



フェイスブック