クルーズ大好き! だからたまにしか行かれないクルーズ旅行はとことん楽しみたい。 セレブリティ・インフィニティで行ったアラスカクルーズの旅行記です。


7日目 ビクトリアに5分だけ上陸

ビクトリアに寄港するとスケジュール上はなっているけれども、夕方6時に着いて夜11時半が船の門限なので、ほとんど時間が無い。それに門限前の夜11時までに、運んでもらう大きな荷物は詰めて廊下に出さなくてはならない。
だから船で最後のディナーをゆっくり楽しむのなら、外出はあきらめなくてはならないようだ。

この航海で初めての日の出と青い海

今日は朝からよく晴れて、この航海で初めて日の出を見ることができた。アラスカでは雨が多いということは、岸にうっそうと生える針葉樹林を見てもよくわかる。

天気が変わりやすいのも当然で、雨具を持ってこなかった私たちが、小雨以外の雨に降られなかったのはラッキーだった。

ビクトリアに行くか、行かないか…悩む

観光嫌いで船でダラダラするのが好きではあるが、初めて来たビクトリアに行かないというのも惜しい気がする。市街までは30分はかかるというから、行くとかなりの過密スケジュールになる。行くべきか、行かないべきか、悩みながらランチタイムになった。

それが昼食のテーブルで一緒になったカナダ人のおばあさんから、ビクトリアがどんなに素敵な街か、ビクトリアはどんなふうに回ったらいいかを詳しく聞くことができた。もう街を見物しつくしたような気分になるくらいだ。それでもういいことにしよう。

ビクトリアはお土産のTシャツ屋と宝石屋ばかりだったアラスカの町とはだいぶ違うようだったので、歩き回る時間がたっぷりあれば楽しかったと思うんだけどね。レストランの窓から、ビクトリアの沿岸部がきれいに見えたよ。

クジラ、見た?があいさつ代わり

旅も終盤になると、ゲスト同士「もうクジラは見た?」と聞き合うのがあいさつになってくる。Gは食事中に偶然大きな尾びれを見た、すごかったーと言うんだけど、私が窓辺に駆け寄った時にはもう消えていた。他のお客さんが見た見たというクジラの潮吹きも一度も見たことが無い。

一度くらいはと窓ごしに海をじっと見ているんだけど、昨日は海が荒れて白い波頭が立って、どれがブロウ(潮吹き)でどれが波なんだかよくわからなかった。今日は左舷の陸との間によく出るのよ!という昼食の人たちのお勧めに従って、部屋のバルコニーからじっと外を見ていたら…。

出た出た、ブロウと小さな背中が。クジラ一頭だけだったと思うけど、波間に背中が出たり潮吹きしたりする様子をしばらく見ることができた。海は昨日は荒れていたけれど、今日の海は目が痛くなるくらい青くてきれいだった。

ビクトリアのポートをちょっとだけお散歩

午前中はクルーと選ばれた乗客がペアになって料理をする料理コンテストを見物し、午後はチャチャチャのダンスレッスンに出て、私たちの船内プログラムはほぼ終わった。

今夜はシアターも他の会場の音楽プログラムもあまりいいのが無いので、ほんのちょっとだけ夕日が強すぎるほど刺すビクトリアのポートを散歩する。

市街はすてきそうだったけど、ポートには何もなかった。下船客目当てのショップやレストランも無く、広大な敷地にまちへ行くシャトルバスが停まっているだけ。

最後のディナーをゆっくり食べる

さっさと船のレストランに戻って、ウエイターやソムリエとお喋りしながらディナーをゆっくり食べる。

最後の夜はもう旅も終わりねと悲しい気分に襲われるのは毎度のことだ。部屋に調理器具を持ち込んではいけないと、初日に船のセキュリティの預かりとなった炊飯用の鍋も、部屋係のインド人のベリタリーノがちゃんと取り返してきてくれた。

気難しい人が多い印象のインド人だけど、ベリタリーノはいつもにこにこして、気が利くし感じがよかった。私たちが没収を免れたアルミポットで、部屋でこっそりお湯を沸かしてお茶を飲んでいるのに気づいて、ポットにお湯をいっぱい入れて毎回持ってきてくれるようになった。

だから最後に船から配られるアンケートに、ベリタリーノとSSレストランのおかまウエイターのヘンリーのことはちゃんと書いておいたよ。彼らの査定と給料があがるようにね!

たっぷり食べましたとも。 チーズと野菜のパイ包み、シーフードカクテルコリアンダー風味、鴨胸肉のパン粉焼ラムシャンクの煮込み、バナナクレープ、チョコレートケーキ。

ディナーが終わったら、パッキングのために部屋に戻らなくてはならない。しぶしぶ立ち上がる私たちに、レストランのスタッフがさよならの挨拶をしてくれる。Gはモーリシャス人のソムリエに、今度はモーリシャスの君の店で会おう!なんて言っていた。なかなかカッコいいじゃないの。

夏のビクトリアの日の入りは夜8時半と遅いので、部屋に戻った後もしばらくは港の残照がきれいだった。パッキングしながらもつい見とれてしまい、荷物を詰める動きが遅くなる。

ああ…、からだを動かすのでさえおっくうになる、あの猛暑の東京にまた戻るのか。1週間ぽっちりで終わりにせずに、ひと夏ずっとクルーズしていられたら、どんなに快適で楽しいだろう。

そんな日がいつかは来ることを夢見ながら、今度のクルーズも7日目の夜にため息をつきながら荷物を詰めるのであった。



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