船でゆらゆらカリブ海

小さなヨットに乗り換えて、久しぶりのシュノーケリングに出発

5日目 セント・トーマス島(ヴァージン諸島)

朝目が覚めたらもうセント・トーマス島に着いていた。ここは1917年にアメリカがデンマークから25百万ドルで買った島なんだそうで、今の円相場なら25億円くらいだったんだなーなんて、思ったりして。ここにもアメリカ人が大喜びしそうなショッピングストリートがいっぱいあるらしく、同じテーブルのリズも「お買い物するなら、セント・トーマスよ〜。去年はこれ買ったのー」とキラキラするぶっといゴールドとダイヤのバングルを見せながら教えてくれた。

ここは買い物のほかにもマリンスポーツのオプショナルツアーが色々ある。パラセイリングがしてみたいというGと、ビーチまで連れて行ってもらってぼけっとするだけでいい私と意見が分かれたんだけど、あいだを取ってシュノーケリングツアーに行くことにした。昔はダイビング旅行なんてしてた私たちだけど、食い気優先でヨーロッパにばかり行くようになり、海の中をのぞくのはすごく久しぶりだ。ヨーロッパでも海辺に行くんだけど、海の水は冷たいしサンゴ礁は無いし、魚はちっとも見つからないから潜るのをやめてしまった。


この日はけっこう天気が悪くて、海は波が立っているし日が照ったり曇ったりしているので、日焼けの心配の上に、水で冷えるんじゃないかと寒さも心配だった。海水は船のインドアプール並とは言わないけれど、地中海よりはずっと温かくて、寒がりの私でも1時間海に入っていられた。
マスクとフィン、浮き袋をつけて、みんなでインストラクターのお兄さんのあとについて泳ぐ。浮き袋なんてつけてると素もぐりしにくいのでイヤだったけど、ツアー参加者には必須だと言われてしまっては仕方が無い。海底は白砂でサンゴ礁などは無く、ツアーの目玉は砂の上にじっといしているカメを見つけること(運がよければ呼吸をしに海面に浮かぶところを見られる)と、カラフルな南洋風のタイが群れになって泳ぐ真中に入れること。昔よく行った沖縄の海なんかに比べたら変化に乏しい海だけど、魚はよく餌付けされてて人間を見ると群がってきたよ。

ヨットではフリードリンクを配ってくれるし、インストラクションは客を笑わせながらそつなくやるし、ツアー会社のオリジナルTシャツを売るのもショー化されていて楽しかった。クルーズのショーもそうだけど、アメリカ人ってこういうエンタテイメントはほんとうに上手だよね。

シュノーケリングスポットへの行き帰りには、港に停泊しているクルーズ船がよく見えた。自分たちが乗ってきたミレニアム号の他に、前にカーニバルのビクトリー、後ろにエクスプローラ・オブ・ザ・シーと3艘並びで停泊していた。どの船もものすごく大きくって、ビルが丸ごと浮かんでいるみたいですごい迫力だ。ミレニアムには2千2百人も乗客がいるって言うんだから、3艘で合わせて何千人になることか。アメリカ人にとってはクルーズ旅行なんて、日本人の温泉旅行みたいにお手軽なものなのかな。

船に帰ってひと息ついていると、もう夕方だ。フードコーナーがオープンし、クラシック、ジャズ、ラテンなどのバンドが演奏をはじめ、ショーが始まる。メインダイニングに行く途中のラウンジではジャズバンドが演奏していて、みんなが陽気に踊っている。
跳ねてるだけの子供とか、ドタドタ動く太った夫婦とか、色々な人が踊るけど、毎日踊りに来る人の中ですごく上手なカップルがいて、見ているだけでも楽しかった。私はダンスは好きだけど、うまく相手にリードしてもらわないと踊れない(リードしてくれる相手はいない)ので、いいなあと見ているだけ。お父さんにリードされてくるくる回っている女の子もいて、ああやってダンスを覚えるのかな?なんて、ちょっぴり羨ましかったりして。
いつの日か、私も踊る相手に上手になってもらって、クルーズ旅行の時に踊ってみたいなあ。

夜の12時からは、「クルーズの食事部門のハイライト」と銘打たれた、グランドビュッフェというのがお知らせされていたので行ってみた。メインダイニングに大きなコーナーができていて、色とりどりの食材がきれいに並べられ、お菓子や氷で彫刻が作られている。12時から30分は写真撮影のみで食べられるのは12時30分から。みんな面白がって、フラッシュをたいたりビデオを回したり。私も調子に乗っていっぱい写真を撮ったけど、この食べ物ショーってどういう意味があるのかな? このあとみんなでちゃんと全部食べたんだろうか…。

押し出されるように外に出れば、そこは船のまん中にあるカジノで、もう真夜中過ぎだというのにまだまだ人が沢山いて、スロットマシーンやルーレットやブラックジャックをやっている。見ているとつい手を出しちゃいそうなので、いつも早足で通り抜けるんだけど、ルーレットの台のそばを通った時にでっかい男の人が、両手を突き上げていきなり「ウオー!」と叫んだのでびっくりしたよ。

次へ
Top






All Rights Reserved, c 2002-, Shinoda Nagisa