クルーズ大好き! だからたまにしか行かれないクルーズ旅行はとことん楽しみたい! コスタ・ビクトリアで南スペイン、ポルトガルまで行った地中海クルーズの旅行記です。


4日目 カディスでフラメンコショー

フラメンコは歌舞伎のルーツ

私の三味線の師匠によれば、フラメンコと歌舞伎は共通点が多いって。

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どうにか成立したフラメンコツアー

今日はカディスに停泊する。地中海を抜けて、太平洋に面した半島だ。貿易や無敵艦隊の拠点として栄えた長い歴史を持つという。フラメンコの発祥の地でもあるそうなので、フラメンコツアーに申し込んだ。今回のクルーズはイタリア人ばっかりで、英語組はふた桁と少数派だ。オプショナルツアーは殆どキャンセルになるだろうとあきらめていたんだけど、カディスのフラメンコツアーは決行されることになった。

朝日が登る前にジョギングを済ませ、集合場所に行く。本当のフラメンコショーが始まるのは、たいてい夜遅くからだろうから、午前中から踊ってくれるダンサーって、どんな人たちなんだろう。はとバスツアーで行くゲイシャショーみたいなものかな、とは思うけど、船が夕方出てしまい、フラメンコを見るなら選択肢はこれしかないので仕方がない。

ツアーバスはドイツ語組と一緒で、現地ガイドのマリアは英語とドイツ語をフレーズごとにスイッチさせながら、巧みに説明してくれる。バスは小さなカディス市内をくるりと一周して、ラ・カバというフラメンコクラブへと行く。

え、日本人が踊るの?

なんと、このクラブではダンサーにもギターリストにも日本人がいて「とっても上手なんですよ」とマリアが説明している。フラメンコは日本ではとても人気があって、日本でフラメンコ教室を開いているスペイン人は多いのだ、などと自慢ぽく言っている。私は、はるばる日本から来て日本人のダンスを見るの?とちょっと複雑な気分。

でも、出てきたミュージシャンと男女のダンサーは、黒髪に黒い目だったけどアジア人には見えない、濃い顔の人たちだった。ダンスも、特に男性のダンスは力強くて激しくて、小さな舞台を見上げるように見ていたのですごい迫力。最後はお客を舞台に上げて、一緒に踊るというお約束のパフォーマンスもあったけど、カディスのフラメンコツアーはガイドもショーもとても良かった。

ガイドのマリアから民族衣装をおほめいただく

着物を着ている私にガイドのマリアが近づいてきて、日本人ですか? 着物は特別な時に着るものですか? 普段も着るのですか?などと聞いてくる。

着物は今は特別な時に着るものになってしまって、私にとって今日は特別な日だから着ているのよ。と言うと、着物を着る日本人は多いの?という痛い質問。あまり多くないけれど、私は着方を習って、なるべく着るようにしている。習わなければ着られない民族衣装というのも、ちょっと変なんだけどねー。と答えると、それはカディスでも同じ。フラメンコに関わる人はどんどん減っているし、自分達の伝統について知ることは大切なのにね、とマリア。

自分の伝統を伝えることを仕事にしているマリアに、着物を着ていることを大いにほめて頂いて、なかなかおもはゆかった。

南スペインはゴールデンウィークでも夏物で十分

昨日午後になってから気温がぐんぐん上がったのに懲りて、今日の着物は綿麻混の小地谷縮にした。襦袢も簡易襦袢で、帯は舟がモチーフの博多帯を銀座結びに。持ってきた中で一番薄くて簡単な夏型装備だ。冷房が効いたツアーバスの中では寒いくらいだったけど、後は快適だった。

カディスの町は、照りつける強い日差しをさえぎるように、海からの風が通りを抜けるように、建物の高さをそろえ、道はなるべく狭く、海に垂直に作ってあるそうだ。だから、日陰は風がとってもさわやかで、着物の衿と身八つ口から風が抜けて、気持ちが良かった。

ツアーの後は、タパスを楽しむ

ツアー後は船に戻らず町に残って、昼食にタパスをつまみ、インターネットカフェでメールをチェックする。カディスのネットカフェのPCはどう設定をいじっても日本語が表示されないので、仕方なくメールアドレスとわずかに表示されるアルファベットで誰からどんなメールが来ているのかを推測して、必要なものにだけ英語で返事を打つ。気を利かせて日本語の文章を翻訳ソフトで英語に変換して送ってくれた人がいて、そのあまりのメチャクチャな英文に笑ってしまう。逆に意味がわからないんだってばー。

出発前は旅先でもEメールは欠かさずチェックして、仕事に差しさわりが出ないようにちゃんと返事しなきゃ、と気負っていたんだけど、メチャクチャなやり取りでもしょうがないや、と思えてくる。だって、ここはカディスなんだし…。

エル・アルヒーブ El Aljibe

Plocia 25
956 26 66 56


フラメンコを見ながらトルティーリャと生ハムをつまんだので、ランチは軽目に。エル・アルヒーベ(ミシュランスプーン1)。昨日と同様、伝統料理が食べられることは事前に確認済。アンダルシア名物『魚のフライの盛り合わせ』をまず頼む。これは、街なかのカフェでオヤジたちがビールを飲みながら食べているのを見ると、大小取り混ぜた魚やエビの丸揚げが山盛りになった豪快な料理なのだが、さすがにミシュランに載る店だけあって、ここで出てきたそれは、イタリアでよく食べたフリット・ミストのような上品な一品であった。それからタパスを2品。自家製コロッケとイカの墨煮。ハウスワインを白赤1杯ずつ。

ディナーはランチと同じ顔触れで

夕方は早めに船に帰って、今日はみんなとのディナーに参加。フラメンコツアーでも一緒だったので、ちょっと見飽きた顔になってきたかな。しかもアメリカ人たちもカナダ人たちも、前菜、スープ、パスタ、メイン、デザートと全部頼むので、前菜+メインしか頼まない私たちとペースが合わなくて、だいぶ待たされる。おしゃべりがしたくて参加しているこのテーブルだけど、会話のパターンも決まってきたしな。うーむ。

船のディナーでは、ホウレン草のパイとリブ・アイのステーキを注文。けっこう美味だった。

船のレストランでは、スタッフが時々みんなで歌って踊ってくれる。見るよりする方が楽しそうだ。

踊りながらケンカしてたら写真をいっぱい撮られたよ

ディナーの後は、ショーを見たり、ダンスフロアで踊ったり。今日は踊る人がたくさんいて、みんな慣れた感じで軽快に踊っていてうらやましい。

Gは相変わらずダンスとなると緊張して、DVDを見ながらあんなに練習したのにステップも忘れがち。踊りながらほらダメじゃない、ぶつかるからもっと動いてなどと言い合っていたら、よっぽど楽しそうに見えたのか、周りの人たちに写真をいっぱい撮られた。

踊っている(=組んで言い合っている)所は自分じゃ撮れないので、私のカメラで撮ってほしいのにな。


これは、他のおじさんと踊っているところ。



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