南イタリアでビーチ、温泉+シーフード

帽子とサングラス必携で入るイスキアの露天の温泉

5.イスキアで温泉

イスキアの温泉(テルメ)は、どこのもなめるとしょっぱいけど透明で匂いも無い、わりとシンプルなお湯だった。しょっぱさは場所によって違い、気管支炎とかの治療のために吸引したりもするみたいだった。ホテルで泥パックやマッサージも受けられたけど、ヨーロッパ一だという温泉公園ポセイドンと地球の歩き方にも載っている療養施設、イスキア温泉センターに行った。



ポセイドン(上の写真)に行って、まず仰天したのは、「影がぜんぜん無い!」ということ。ビーチ沿いにずらーりと25ものプールやら温泉やらが並んでいるんだけどどれも露天で、真夏の炎天下キョーレツな太陽にさらされてしまうのだ。真夏でも黒い日傘に手袋、美白化粧品で肌を守ることを欠かさない日本女性が見たら、卒倒してしまうだろう。夏の帽子がダサいと言われるニューヨークで、オフィスの窓際の席で毎日日光を浴びて、私も相当あきらめてはいるけれど、やっぱりこれはツライ。だいたい暑くって、熱い温泉になんて入れない…。
強い陽射しでクラクラしながらも私は広い敷地内を歩き回り、やっと小さな洞窟がある温泉と、半分木陰になっている温泉(下の写真)を見つけて、そこにじっとしていた。どうしようもなくのぼせてしまったら、温度が低めの大きなプールで帽子とサングラスをしたまま泳いだよ(必死)。ポセイドン、日が暮れてから行けたらいいのに、閉館はまだ陽も高い夜7時だって。


イスキア温泉センター(下の写真)は、ホテルから歩いていける繁華街の中にある。ここを利用したい人は、朝早い時間しかいないお医者さんの診断を受けなくてはいけないので、最初昼ごろ出かけていった私たちは門前払い。仕方ないからまた翌日に早起きして行った。
診断と言っても超いい加減。既往症がないかどうかの問診と、骨格と筋肉をちょっと触るくらいだった。私は肩こりがひどくて腕を回すとゴキゴキ音がする。赤外線照射とマッサージの処方箋を書いてくれたけど、これは受けても受けなくてもいい。お目当ての大きな浴槽は「浸かるだけ」で泳いじゃいけないと言われたけど、仰向けにぷかぷか浮かんでいたら、一緒に入っていた人たちがみんな真似して浮かびだしたよ。

日本によくある情緒たっぷりで、お湯も濁っていていかにも効きそうな「温泉」を期待していると、イスキアのテルメはちょっとイメージが違うかもしれない。でも私はこのあっけらかんと明るく、スパなんだかプールなんだかよくわかんないイスキアの温泉プールが気に入った。お湯は、温泉として入るには温度が低いけど、泳ぐには体が冷えなくて丁度いい。泳いでいればお腹がすくし、温泉プールから上がった後は、食欲モリモリで大盛りのイタ飯も食べられる…。
イタリアにはいくつもこんなテルメがあるそうで、これからは色んな地方のテルメを渡り歩いてみるのもいいなあ、なんて思っている。

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