ニューヨーク暮らしことはじめ
公園にあふれていたリス君たちも冬眠に入る

時計を戻して冬の準備

サマータイムが終わり、時計の針が一時間戻された。いったいどうやって、時間を戻したり早送りしたりするんだろうとけっこう楽しみにしていたんだけどね。サマータイムの終わりには、午前1時が2回あった。つまり、午前1時59分の次が午前1時00分というバック・トゥ・ザ・フューチャー(古い?)のような事が起きたのだ。

面白がって起きてたけど、カウントダウンがあるわけじゃないし、テレビで特別番組があるわけじゃないし、どうってことなかった。家中の時計を修正するのが、ちょっと面倒くさかったくらい。甥っ子の初節句祝いの飾り時計は、直し方がわからないので、今も日本時間のままだ。示す時間は2時間先。日本は14時間も先にいるんだなあと、その時計を見るたびになぜだか焦ってしまう。

翌朝は、一時間分寝坊できるんだと、これもけっこう楽しみにしてたんだけどね。夜更かししたせいで、いつも以上に眠かった。それどころか、日が暮れるのがいきなり一時間早くなっちゃって、夕方5時にはもう夜の雰囲気だ。今までは夕方といえば7時くらいまでの感覚だったのに、急に気分は冬。来た当初は、夜9時過ぎても明るいのに感動したんだけどな。なんだか、騙されてるみたいだ。

10月に入ってから、気温は急降下。冬に向かってまっしぐらだ。10月の頭には、オープンカフェでお茶していたのに、慌ててコートを引っ張り出し、その下に毛糸のセーターを着、10月の下旬にはすっかり「東京の真冬のいでたち」となってしまった。それなのに天気予報では、「気温は42度」なんて言うのだからピンと来ない。つまりこちらは華氏表示なのだ。

華氏から32引いて5/9をかけると、摂氏になるんだそうだ。でもそんな計算をいちいちしていられないので、
60度=けっこうあったかい。
50度=コートをちゃんと着たほうがいい。
40度=帽子と手袋が必要。
30度台=ブルブルブル…。
みたいにカラダで覚えるしかないようだ。この先20度台や10度台といった、計算しなくても零下だってわかる寒さがやってくるらしい。

どんより曇っている日が続いて、時々冷たい雨がしょぼしょぼ降る。窓際の花鉢はとたんに育ちが悪くなった。すきま風は冷たかったけれど、からっと晴れて空気が澄む、東京の秋や冬が懐かしいなあ。日本に居た時に欧米人が「東京の夏はヒドいけど、冬はとてもいい」と言っていた気持ちが、今になってよくわかるよ。

嬉しいのは冬物がけっこう安いこと。モコモコであったかそうなコートが100ドル台で選り取りみどり。ブーツだって、一足買えば二足目タダ!なんてやっている。夏には誰もかぶっていなかった帽子も、今なら店頭にも露店にも山積みだ。眺めるだけでまだ買っていないのは、そのうちどーんとバーゲンが始まるらしいから。
「一月になったら70%オフになるのよ〜」と聞いてしまっては、今は手が出せない。 日本で着ていたコートが華氏何度まで通用するか挑戦してやろうじゃないの、なんて思ってはみるものの、寒がりの私はすぐ音を上げちゃうんだろうけどね。

written by 篠田なぎさ(⇒ プロフィール



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