ニューヨーク暮らしことはじめ
ハロウィーンパーティーでのショット

「トホホ」から「エヘヘ」へ

7月26日にアメリカに来てから、丁度5ヶ月が過ぎた。
仕事もたくさんの友達も東京に置いて、右も左もわからないニューヨークにやって来た時には、なんだか自分が透明になったようだった。 言葉不自由、住所不定、友達皆無、おまけに無職。こんな自分が情けなくって、心底トホホ…な気分だった。

私を待ち構えているのは、辛くて情けないことばかり、と思っていたけれど、実際はそうでもないな、と思うようになった。なんせここには、「…なんだから」とか「…はこうあるべき」という考え方が無い。
英語がヘタクソだって、通じればいい。自分は自分のやりたいことをやる。変なことしちゃっても、So what? だから何? 私にとってはこれがスタンダードなの。と堂々としていればいい。(たぶん)

グランドセントラル駅の爆薬探知犬。いつもマイペース

すごく混んでいるるデリで、ベーグルを頼もうとした時のことだ。
色々な種類のパンとトッピングが並び、みんな次々早口で注文していく。私は注文の仕方がよくわからなくて、「次の人?」と言われた時に、「ふつうはどんなふうにするんですか?」と聞いてみた。
するとベーグル屋のお兄さんは言うのだ。
「どんな風にでも。君の好きなように作ってあげるよ」
その時は、自分の英語が伝わらなかったんだと、けっこうトホホな気分になったんだけど、今はそのお兄さんは何てステキなことを言ってくれたんだろうと思う。

「どんな風にでも。君の好きなように」
これってすごく楽しいことだ。
そして、日本ではあまり無かったことだ。

アメリカに来る前から私は、自分で自分を縛っていた。
「ちゃんと、英語ができるようにならなくっちゃ」
「何か見つけられるように、がんばらなくっちゃ」
「いい人だと言われるように、きちんとしなくっちゃ」
すごーく、日本人らしく。
タイムズスクエアでパフォーマンスするお兄さんたち

「…しなくっちゃ」と思わなくなると、これやってみたり、あれかじってみたりと、色々楽しめるようになってきた。
情報をうまく取れば、ニューヨークには楽しいことがたくさんある。エンターテイメントに、ピンからキリまでのレストラン、あふれるモノ、変わった人 たち。仕事は厳しいけど、趣味を極めたり勉強をしたりの機会もたくさんあるし、ボランティア活動も盛ん。自分から行動を起こしさえすれば、もう毎日毎日、とっても忙しく過ごせるだろう。
もちろん失敗も多いけど、トホホ…とがっくりするよりは、エヘヘ…と照れる程度ですむようになった。

なので、このHPのトーンもちょっと変わりつつある。トホホな気分で発信している時も、色々な人から「そうそう、その通り!」と言われて、それがとても嬉しかった。なあんだ、誰もが経験することなんだと、気づくことができた。
何でも話そうよと呼びかける若者

というわけで、あんまり特別なことは無いけれど、これからはエヘヘってな感じでやっていきますので、どうぞよろしく。

それでは皆様。良いお年を。
しの@NY

written by 篠田なぎさ(⇒ プロフィール



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