アメリカ三面記事便り
「If You Love Me You Will Follow」

自信家アメリカ人はイラクの場所も知らず

「アメリカを嫌う外国人は増えたけど、イスラム教徒以外はまだアメリカが好き」。ワシントンDCにある世論調査機関Pew Research Centerの調査結果が、そんなコメントともに報道された。

2年前に較べてアメリカに対する好感度は、イギリスが83%から75%へ、ドイツが78%から61%へなど、殆どの国で減っているが、ロシアでは37%から61%へ、ウズベキスタンでは56%から85%へと増えている。
「冷戦時代の古い友達が、もうアメリカを必要としなくなったからだ」と、調査担当者は分析する。

イスラム教国以外で、過半数近くがアメリカを嫌うのは、アルゼンチンと韓国のみだという。
「アルゼンチンは調査時に経済危機の真っ只中だったし、韓国は北朝鮮政策に対する立場の違いが結果に出ているのだ」と、この2国は例外扱いだ。ちなみに日本人は72%が「アメリカのことが好き」と答えている。この率は、アジアではフィリピン人に次いで高い値だ。

これでますます自信を深めそうなアメリカであるが、アメリカ人自身は、攻撃目標であるイラクの場所も知らず、世界地図に自分の国を示せないという別の調査結果も出ている。(ナショナル・ジオグラフィック誌調査)

イラクの場所がわかるアメリカ人はたったの13%で、イランやイスラエルについても同様の低さだったという。これだけ連日「イラク攻撃」と「イスラエルの自爆テロ」が報道されているというのにだ。
しかもアメリカ人の11%は、世界地図上に自国の場所を示せない。人口は実際は2.9億なのに、自国民は10億〜20億人居るんだと答えたアメリカ人の割合は、三分の一近くになる。

「世界で一番強い国には、やっかみも集まるのだ」
アメリカへの好感度が下がったことについての、世論調査の担当官のコメントだ。世界人口60億人の三分の一がアメリカ人だと答えるのだから、いったいアメリカ人は自分のことをどれくらい強いと思っているのか。ちょっと垣間見えたような気がする。

ちなみに、日本の場所がわからなかったアメリカ人は58%で、同時に調査した欧米諸国人の中で、一番多かったそうだ。

参考)
世論調査機関Pew Research Centerのウェブサイト
アメリカ人の地理音痴ぶりを伝える記事(CNN)

written by 篠田なぎさ(⇒ プロフィール



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