クルーズ大好き! だからたまにしか行かれないクルーズ旅行はとことん楽しみたい! コスタ・フォーチュナで行ったメキシコ(メキシカンリビエラ)クルーズの旅行記です。


5日目 カボ・サン・ルーカスで乗馬に挑戦!

メキシコクルーズ乗馬
うわーい、念願の乗馬がまたできた!

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危ない所には立ち寄らないクルーズ船

ほんとうはこのクルーズコースでは、今日はマサトランというビーチリゾートに行くはずだったんだけれどもね。そこの治安が悪くなったという理由でマサトランは飛ばしてカボ・サン・ルーカスに2日滞在することになった。

まあ、仕方がないね。今クルーズ界で一番危ないのは日本らしいけどね。放射線汚染問題で。日本に寄る予定だったクルーズはキャンセルになっているというし。

まだいた物売りの子ども達

カボ・サン・ルーカスはロス・カボスと呼ばれる地域で、バハカリフォルニア半島南端の砂漠を開発したビーチリゾートだ。船で近づいていくと、緑がほとんどない乾いた土地に、無理やり建てたような巨大なホテルがいくつも並んでいるのが、遠くからよく見えた。

船は沖に停泊し、テンダーボートで上陸する。上陸する先はマリーナを囲んでコの字型にショップやレストランが並んでいる、いかにも観光地なエリアだ。観光案内の人たちが次々に声をかけてくる。おもちゃのようなお土産を売る子供たちも。

メキシコでインディオの子供が働かされるのは相変わらずなんだなあ。私がメキシコにいたのは、この子たちと同じ歳くらいの時だった。彼らの無表情も生気のない目も相変わらずだ。

適正価格の乗馬コースを探す

私はここで6年半前のカリブ海クルーズの時のように、乗馬がしたかった。あの時はあぶみが脚に合ってなくて、バランスが悪くてお尻の皮がむけちゃったり散々な目にあったのだった。でもとっても楽しかった!ので、また挑戦したいのだ。(⇒その時のもようはこちら

道沿いに店を出している何人かに乗馬の値段を聞きながら歩いて、だいたいの相場をつかむ。観光客向けのインフォでレストランを聞くついでに乗馬のことを聞いたら、信頼できる人を紹介してくれると言うので、その人イラムに頼むことにする。日に焼けるのが嫌だったので、夕方の乗馬がいいといったら、問題なく予約できるという。料金も35ドルと、地元の相場通りだ。船からのエクスカージョンだと、かんかん照りの中の時間帯で80ドル以上もするのだ!

混んでいて味がよさそうな店でランチ

夕方の乗馬体験を楽しみに、ランチを取ることにする。ここではマリーナに面してオープンエアの店が並んでいて、メニューはどこもアメリカン+メキシカンのようだ。

ピアから近い店の中で比較的混んでいる店"D'Right Joint"に入る。ここでもまた伝統的なメキシコ料理をと店員さんに相談、昨日食べなかったチキンのエンチラーダとチーズのナチョスにした。

昨日に比べると日本でもよくある料理で味も平板で残念。ビールはPacificoとCoronaを飲んだけれど、Pacificoのほうが癖がなくておいしく感じられた。Coronaはアメリカ人にすら馬のションベンとか言われている味だからね。でもまあ水代わりにはちょうどいいね。

流しの4人組のマリアッチ楽団が愛の歌(だそうだ)を弾いてハモッて歌ってくれる。何人の楽団でも、1曲シンクエンタ・ペソです。このシンクエンタ(=50)という言葉が聞き取れた時には嬉し懐かしかった。

もしかして、誘拐団? 黒塗りの車のお迎え

夕方の乗馬に備えて体力を温存するために、いったん船に戻って休憩する。陽が傾き始めたころにまたテンダーに乗ってピアに戻って、さーていよいよ乗馬だっ! 指定された待ち合わせの場所に迎えの車がなかなか現れなくて、Gはイライラしているけれども、私は平気だ。だって、これがメキシコだもの。

でもさすがに、夕方の乗馬をするのが私たち2人だけだと知り、迎えの車を見た時にはちょっとひるんだ。だってあらわれたそのバンは、運転席以外の窓が真っ黒に塗られているんだもの。いつ後部座席から拳銃を持った人が現れて、ホールドアップ、となるかとヒヤヒヤしたよ。しかも、車は大通りを降り、舗装もしていない道をどんどん進んでいく。ということは、降りたところが誘拐犯の基地なのかしら?

 いやいや、インフォが紹介してくれた業者なのだから、そんなことは無いだろう。でもまさか、そばで私たちのやり取りを聞いていた、ニセ業者だったら…??? 不安な想像が高まるなか、車はニワトリが跳ねまわり、ヤギがメエメエ鳴き、馬がずらりと並ぶ小規模な牧場に到着した。


酪農家ファミリーの小牧場で乗馬体験

そこはメキシコの酪農家の家だった。お父さんのマルティが、「6人の子供たちを養うために」乗馬サービスを始めたという。馬は高くてとても自分では買えないので、預かっているものなんだそうだ。ニワトリ、ヤギは食用、牛は乳搾り用に飼っている。

マルティは私たちの乗馬の経験がたった1度きりと知って、うーむ…という顔をしている。そしてGには牡馬を、私にはパルマという7歳の雌馬を選んでくれた。


マルティ家の小さな男の子に手伝ってもらってひらりとパルマに乗り、(もちろん、気持ちだけひらり)、これを持ってと手綱を渡される。

でもそれは、洗濯物を干す綱みたいに細くて、頼りなくてとても怖い。鞍にまたがっても背もたれもないので、ぐらぐらしてバランスが取れない。

えー? 前もこんなんだっけなあ、これじゃあ馬が動き始めたら、落ちそうになっちゃう…、と思っているうちに、マルティが「レッツゴー」と動き始める。パルマちゃんも従順にそれに付いて行こうとするけれど、私は怖くて手綱を引き、ゆっくり歩くようにお願いする。

マルティはそうじゃない、こうだ。と両足で馬のお腹を蹴るジェスチャーをして、早く動くようにと言う。

「えええええー? 怖くてそんなことできないよー」と叫んだら、マルティが苦笑しながら近寄ってきて、パルマの手綱を持ち、私には鞍の前をしっかり握っているように言って、マルティに引かれる形で私は動き始めた。

最初は引っ張ってもらってどうにか歩き始める

 1時間の約束の乗馬体験コースの前半は海岸を、後半は砂とサボテンばかりの丘をぐるーっと歩いた。海岸からは私たちが乗ってきたサファイア・プリンセスが沖に停泊しているのが見えたけれど、写真を撮る余裕もない。マルティに馬を止めてもらって撮ったけど、それでもぐらぐらしてぶれてしまった。


馬上から撮ったら水平線が斜めになっちゃったよ。

後半は少し余裕ができて、マルティとおしゃべり

でも前半の海辺往復コースが終わるころには、私もパルマの手綱を持って一人で乗ることができるようになった。パルマはマルティの馬をひたすら追うので、何も指示する必要がない。ちょっとギャロップしてもすぐにゆっくりになってくれて、さすが21頭もいる中からマルティが特別に私に選んでくれた馬だけあったよ。

マルティはあまり英語ができなかったけれど、何とか会話をする。マルティはもともとはティワナというアメリカとの国境に近い町に居たのだけれど、あまりに物騒だったからこちらに移ってきたんだそうだ。バンバン!とピストルで撃ち合うジェスチャーをしてくれた。


マルティ家に近づくと犬がお出迎えをしてくれた。やさしくしてくれて、ありがとう! パルマちゃん。

砂丘と動物と家族に囲まれたマルティ家の暮らし

海岸からちょっと入ったところにあるマルティの家の周りは、延々と続く砂丘だ。サボテンがところどころ生えているだけで、林も川もない。でも家畜がたくさんいて、家族で世話をしていて、犬も猫もすごく人懐っこくて、マルティ一家が動物をとてもかわいがっているのがよくわかった。メキシコのアメリカ人ばかりの観光地にこんな暮らしがあるんだなあと思ったよ。

ディナーはマリーナの端のロマンチックなレストランで

乗馬コースの後はマリーナの端まで送ってもらってレストランを何軒か物色し、おいしいメキシコ料理が食べられそうな店"La Galeria"に入る。テーブルクロスがかかっていてサービスの人がボウタイをしている。これがイタリアならトラットリアではなくリストランテ級の店という感じでしょうか。

前菜にトルティージャスープと牛肉のナチョス、メインにマヒマヒのソテーと懐かしの「フライド」タコスを頼む。メキシコにいた時に食べていたのがいつもこれだったのだ。

ワインはGがメキシコのワインを飲んでみたいと白(Don Luis Celto Vioguier 2008)にする。メキシコでもワイン作っているなんて知らなかったけれど、北西部のGuadalupe Valleyというところのワインだそうだ。味はシチリアワインのような感じかな。


ここでカメラの電池が切れちゃって、ディナーの写真が無いのだ。しまった。

流しのふたり組の、おどろきの演奏

どのレストランにも入ってくる流しの歌手(2人)にサンタナができるかと聞くと"Oye Como Va"か"Europa"か"Sanba Pa Ti"かと言うので、"Sanba Pa Ti"(君に捧げるサンバ)を頼む。カルロス・サンタナが哀愁たっぷりに泣きまくるあの長い曲を、アコースティックのギターとベース(見た目はでかいギター)で実に丁寧に演奏してくれて、正直感動した。通常料金の倍の10ドル差し上げるともう1曲やってくれるというので、メキシコの明るく元気な歌を頼む。

店の外に並んだテーブルの一番外側に陣取り、ヨットやボートが並ぶマリーナを眺めながら、夕暮れからやがて日が落ちて夜になり、砂漠のせいか気温も嘘のように下がって気持ちよい風を感じる。サービスもきちんとしている。とても気持ちのいいディナーだった。



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