4日目 予定外のメッシーナに到着
マルタ島に行く代わりにメッシーナに寄港した。メッシーナの滞在は朝から午後2時までと短い。地元でランチができるかどうかの、ぎりぎりの時間だ。
マルタには朝8時から夕方4時までいられるはずだったので、遠出して旧市街までお昼を食べに行こうとか、ネットサーフィンして見つけた、地元の業者がやっているセグウェイツアーに参加してみるのもいいかもなんて、楽しみにしていたんだけどね。
ジョギングしながら夜明けのメッシーナ入港を楽しむ
メッシーナはイタリア本土との間がわずか3.3キロしかないシシリア島の先端の街だ。イタリア本土とを結ぶ交通の要所として長い歴史があるのだけれど、100年ほど前の地震と津波で町は一度破壊されたそうだ。目の前に広がるメッシーナのきれいな石造りの町並みからはそんなこと想像もできなかったけれども。
ジョギングしながら撮ったメッシーナへの海峡
船のジムから見えたメッシーナの町
ちょうど日が昇るころに船は右手にシシリア島、左手にイタリア本土が見える海峡に入り、メッシーナ港に着岸する。目の前にドゥオーモが見える街の中心の真正面だ。デッキ15のジョギングトラックを走りながら、その様子をカメラに収める。真冬だけど気温は10度くらいでよく晴れて風もない。甲板を走るにはちょうどよくてすごく気持ちよかった。レストランロリーボのおなじみのスタッフが手を振ってくれる。
部屋から正面に見えるメッシーナの街
船はメッシーナの繁華街の真正面に到着した。部屋からドゥオーモや広場が良く見える。昨日はあんなに天気が悪かったのに、今日はよく晴れて、街が輝いて見える。
男物の羽織でメッシーナにお出かけ
ラウンジで軽くお腹を満たして、紬に日本ではあまり〆ないボタン色の帯を締める。そしてGの羽織を着てショールをして、ブーツを履き街へとお出かけだ。
この羽織はもともとは叔父のために祖母が縫ったものだ。G用にサイズを直したけれど、40年くらい誰も手を通していなかったので、まだ固くずっしりと重い。だからとても暖かくて、私の防寒にはぴったりだ。男物の羽織を着ているなんて誰にもわからないしね。
しかも叔父の羽織の羽裏は龍虎だ。 カッコいいでしょ?
さーて、ランチはどこで食べる!?
船を降りた人の列はぞろぞろと正面にそびえるドゥオーモに向かう。私たちもその列に引っ付いて歩く。中を見学した後は「地球の歩き方」に小さく載っていたメッシーナの地図と勘を頼りに歩いて回る。前の日からネットサーフィンしてTrip Advisorに出ていた評判のいいレストランをメモしてあるので、それを探して歩くのだ。
ランチの店が決まるまでGが落ち着かないのはわかっていたので、私も日が低くてまぶしく、排ガスが臭くて散策には決して向かないメッシーナの街を辛抱しててくてく歩いて回る。
帰船時刻に間に合わせるためには1時半には昼食を終わらせなくてはならない。でもレストランはたいてい1時過ぎから始まる。
「ここも1時からか…」やっと見つけたレビューで評判の良かったレストランの前で看板を見上げていたら、中からお店の人が扉を開けてくれた。 船に戻らなくてはならないので1時半には食事を終わりたいけれど、店が始まるのは1時からだから残念ながらここで食事ができないと言ったら、
「大丈夫! 今日は12時からやっているから」とお店の人が言うではないか。
ナント船の日本人16人の予約が入っていて、今日は特別に早くから営業するんだそうだ。16人の団体さんとはすごい数だ。急に停泊することになったメッシーナで、予約をちゃんと入れるとはなんと手回しがいいことか。どんなメニューを出すのか聞いておけばよかったな。
閉まっていた賞の店。ざんねんー。
ネットサーフィンで見つけたもう一軒は、入り口にグルメ誌の賞を取ったとか、ランキングx位の店だとかいっぱい貼ってあって良さそうだったんだけど、残念ながら閉まっていた。
インフォで紹介してもらったレストラン
結局は街のツーリストインフォで紹介してくれた地元料理の店に行ったのでした。ツーリストインフォではレストランで注文できる地元の料理やお菓子もいろいろ紹介してくれた。何て心強い旅行者の味方!
ツーリストインフォが紹介してくれたampanileというそのお店は、ドゥオーモ(カセドラル)の裏手にあった。お店の入り口の氷の上に魚貝を並べたクラシックなトラットリアだ。
野菜の前菜盛り合わせ、魚介の前菜盛り合わせ、魚介のリングイネ、魚介のフリットミスト、白ワイン(カラフェ)を頼む。
折角メッシーナに来たのでとにかく海の幸尽くしにしたけれど、ムール貝と小イカのフリットがかぶってしまった。まあそれでも、星のレストランのような高級料理とはまた違った、漁村の田舎料理っぽい美味しさに十分満足。
ところで魚介の前菜に入っていた"Neonasa di Pesce"というおまんじゅうみたいな形をした謎の料理が気になる。お店の人や隣のテーブルにいた人の話を総合すると、どうも魚の卵の料理らしい。おいしかった。
目の前に船、戻るのは楽ちん
レストランを出て大通りを渡ればそこでもう船がタラップを下ろして待っている。テンダーボートやシャトルバスに乗らないと街の中心に行かれない寄港地も多い中、本当に便利だった。
町のどこからもよく見えたスプレンディダのおっきなお尻
部屋に戻ったらすぐにぐうぐう寝てしまった。もう満腹だしデキャンタいっぱいで4ユーロと安かった白ワインでいい気持になっているので、昼寝は本当に気持ちがいい。今日はガラナイト(=フォーマルナイト)なので、夕方には起きて二人で着物を着て船室を出たけれど、あのまま寝ていてもすごく気持ちがよかったと思う。
昼間私が町で着ていた羽織を夜はGが着る。究極の着まわし術かな?
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