8日目 バルセロナで無事下船
この日のバルセロナ到着は昼の12時なので、バルセロナかロンドンで一泊しないと日本まで帰れない。いろいろ考えた末、バルセロナ-ロンドンを遅めの便にして、バルセロナでゆっくり食事をしてから夕方ロンドンに向かうことにした。
さすがの揺れにちょっと怖くなる
新年を迎えてバタンキューと眠りについたものの、途中寝ていて目が覚めるくらいに船は揺れた。ジェノア―南スペイン間は5月のクルーズの時にもすごく揺れたので、冬だから特別というわけではなかったと思う。
でもこの船は低価格クルーズラインMSCの新造船だ。はやりのバルコニー付きの部屋ばかりでインサイドの部屋がない構造で、幅が狭く前後にひょろ長い。
横波を受けたら途中からぽっきり折れたりしないかしら? 1週間のうち2回も寄港地変更したので、今日もどこか別の所に連れて行かれるんじゃないかしら?
そんな不安と期待は裏切られ、船は私たちの下船地バルセロナに予定通りにお昼に到着した。残念だ。
船から見た初日の出。今年はいい年でありますように。
楽ちんで嬉しい当日の荷物出し
今回Gが楽しみにしていたのは、ヨットクラブのお客は荷物を出すのが下船日当日でいいということだった。いつもは前日の夜に大きな荷物をまとめて渡さなくてはならず、気はせくし荷物を出しちゃった後は一気に「旅は終わり」の気分になってしまい、悲しかった。
でも今回は当日の朝までいつもと同じ生活ができる! 自前の朝食を作って食べられるし、ジムにだって行かれる。ただし、前日の不摂生により、ジムはパスしたけれどもね。
荷物を渡した後も、好きなだけ部屋にいていいよと部屋係のプトラ君が言うので、バルコニーのドアを開け放して読書などしてみる。明け方の揺れが嘘のように船は静かに進み、よく晴れて暖かい。やっぱりクルーズは窓を開けて、海の音を聞きながら進むのがいいなあ。
それから船のフォトショップで写真を選んだり、ラウンジで軽く食べたりしているうちに、あっという間にお昼になってしまった。もう下船だ!
下船するもタクシーは大行列
バトラーのプトラ君に先導されて、本日の下船組はしずしずと船外に向かう。優先下船といってもタクシーの列までで、長い行列に並ばなくてはならなかったんだけどね。
名残惜しいヨットクラブ専用デッキ(左)と巨大マンション船の横顔(右)
リーズナブルなクルーズラインのMSCは、エクスカージョンに行く乗客以外への寄港地サービスが皆無なのだ。寄港地の地図なんてくれないし、港から街の中心地へのシャトルサービスもない。
チビタベッキアでは市がバスを出してくれたので、町の中心まで無料で行かれたけれども、それ以外の所では自力で歩くか(しかも地図もなく!)、タクシーに乗らなくてはならない。バルセロナは港から市街まで、大きな橋を延々渡って行くので、近いように見えても歩くのは大変だと思う。
1週間前にバルセロナ空港からタクシーで港に来たときには、クルーズのお客さんが列をなして橋の上を歩いているのを見て、物好きが大勢いるんだなあ。体力もつんだろうか?と思ったけれども、シャトルもなくタクシーが行列じゃあ歩くしかなかったんだなあ。
冬でも陽がさす中、大きな橋を延々渡るのは大変そうだった。夏は絶対にやめた方がよさそうだ。
着物で下船に初挑戦
バルセロナからロンドンに向かうフライトは夕方の便を取り、下船してからバルセロナのレストランで食事をしようと決めていた。元日という厳しい条件の中、1か月以上前からGがメールをいろいろな店に送って新年の営業を確認。ミシュランの二つスプーンの店が開いていると返事をくれたので、やっとお店を予約することができた。
以前訪れた二つ星の店「ネイチェル」は、残念ながら元日はお休みだった。ネイチェルさん、元気かなあ。もう引退して息子が継いでいるとかなんだろうか。(ネイチェル訪問記は⇒こちら)
だから今回は下船の時も着物を着ていた。今まで昼に寄港地を歩くときには、着物を短めに着てブーツを履いていたけれども、ミシュランのスプーン二つのお店に敬意を表して、足元も足袋ソックスと下駄でキメる。
そして大きなトランクを持って(Gが)タクシーで港からお店に乗りつけた。
荷物を持ってシーフードの人気店へ
クリントン元米大統領や有名サッカー選手、ハリウッド俳優の写真がいっぱい
以下、Gのレストラン評
シーフードが売り物の人気店"Botafumeiro"へ。お正月のせいなのか、いつもこうなのかわからないか、超満員で大きな店なのにまったく空席がない。元旦の日曜日なのでどこもやってないのではないかと心配し、1カ月以上も前に予約し、前日に船からリコンファームまでしているので、2人用のテーブルを確保できて胸を撫で下ろす。ここまで人気がある店とは知らなかった。
この店はガリシア地方(イベリア半島の北西部)のシーフード料理を出す店。ボリュームがありそうなので用心して品数を絞り、Sとシェアする。前菜は蟹の身を茹でてマスタードソースでいただく料理、次はぐっとくだけてアロス・ネグロ(大好きなイカスミのパエリア)、メインは白身魚と野菜をトマトで煮た料理。バルセロナで食べるといつも塩が控えめで少し甘く感じるほどだが、この店もそんな感じ。もちろんとても美味しいです。
ワインは、カタルーニャで一番ポピュラーな白は?と聞いたら勧められたFransola。トーレスという有名なワイナリーのとてもよいワインのようだ。ソービニオン・ブランでフルーティーなのだがシャルドネのようなこくもあり、たいへん美味しい白ワインでした。
以上、Gのレストラン評でした。
着物で飛行機に初めて乗る
さーていよいよ着物で飛行機だ。今まで着物で新幹線に乗ったことはあるけれども、飛行機に乗るのは初めてだ。国際空港では色々な民族衣装を着た人がいるので、着物でも別に気にならない。
セキュリティーチェックでは羽織を脱いでと言われ、脱いだら「あらー」という感じで帯のお太鼓の中もチェックされた。笑いながらだったけどね。
セキュリティの人には教えなかったけど、着物なら衿の合わせやたもとに色々なものを隠すことができるね。帯に挟んでおけばパスパートだって失くさずに済む。便利です。
懐かしのソフィテルホテルにまた一泊
飛行機でロンドンに着いたら、ターミナル直結のソフィテルホテルにまた一泊する。港に午後に着いたのでその日中に乗り継げず、こういうスケジュールになってしまった。
山と積んだ荷物を、押したり引いたり大奮闘のG
1週間前に前泊したソフィテルホテルは懐かしく、今回は帰るだけで、これで旅が終わってしまうことが残念だった。もう要領はわかったので、ターミナルビルでサンドイッチやバナナを買い込み、カートにトランクを山のように積んで、通路を渡ってホテルに行きチェックインをする。
冬のクルーズはトランクの重量オーバー要注意!
今回は冬の旅行だったので着物は裏地付きの袷になり、羽織もショールもと入れたので荷物が重くなった。いつものJALなら重量オーバーでも割と大目に見てくれるけれども、BAはうるさいと聞いていたので、荷物を小分けにしたらこんな数になってしまった。
じっさい空港のカウンターで重量オーバーして、荷物を詰め直している人たちはたくさんいた。制限は23キロと出ているけれども、24.1キロまでは大丈夫だったよ。(前の人は25.0キロでアウトでしたが)
裾を短かめにしてブーツを履いた(左)。ぼたん色の帯にピンクの帯締め帯揚げ!(右)
それでもクルーズに服をたくさん持ってくのは楽しい
今回は「もう日本では着られなくなった派手な着物を外国で着る」というテーマの旅だったので、赤い小紋もオレンジの更紗も、ぼたん色の帯も花柄の帯もと、とっかえひっかえできて楽しかった。
これもGが荷物を23キロの範囲内に芸術的に詰め、カートに積み上げ、運んでくれたおかげです。付き合って自分まで着物を着てくれたし、どうもありがとう、G。
>>おしまい