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7日目 マルセイユ
エクス・アン・プロヴァンスのマーケットでハーブを買い込む
エクス・アン・プロヴァンスへ行ってみよう!
最後の寄港地はマルセイユだ。朝8時に入港し、夕方の6時に出発する。最初はマルセイユの星のレストランでブイヤベースでも食べようと言っていたけれど、船外ツアーの説明会の時にエクス・アン・プロヴァンスがマルセイユから車で30分くらいで行かれると聞いて予定変更。タクシーでエクサン・プロヴァンスまで出かけることにした。
南仏気分満喫のエクス・アン・プロヴァンス
エクス・アン・プロヴァンスは、今回船で訪れた中での数少ない「来たことの無い街」だ。それだけで嬉しい気持ちになる。街路樹が茂った大通りも、両側にブティックが並ぶ石畳の小道もとても雰囲気があってきれい。ハーブドプロバンス、オリーブオイル、南仏らしいハデなテーブルクロス、おそろいのナプキン、ラベンダーのリキュールなどを買いながら歩く。狭い道を観光客がぞろぞろ歩く中、私も着物を着て歩いていく。
おみやげ物屋さんでテーブルクロスを選んでいる時に、他の観光客のおばさんが、Beautiful!と声をかけてくれたのは嬉しかったけど、レストランのテーブルで隣になったアジア人の中年カップルに、上から下まで無言でじろじろ見られたのには参った。
同じアジア人同士、笑顔ぐらい作ってほしい…
特に奥さんのほうが私のことをあまりに睨みつけるので、しまった、中国か韓国の人かな、キライな日本人がキモノなんか着てるので無言で抗議してるのかな、と居心地悪く思っていたら、ナント二人がしゃべっているのは、日本語じゃないの。
なーんだ。私が日本人だということはひと目でわかるはずなのに。コンニチハくらい言ってくれてもいいのにね。
となりの中年カップルとはひと言も話さず。変な感じだったなー。
余裕をもってタクシーで船まで戻る
今日は食事の後も買い物に戻る余裕がちょっとありそうだったけど、昨日ぎりぎりになってしまったので用心して、レストランから直接タクシーで船まで帰ってくる。おかげで、5時からのブラジリアンダンスの講習会に間に合った。ダンスレッスンはエアロビクス教室みたいで、あんまり面白くなかったんだけどね。
Gのレストラン評クロ・ド・ラ・ヴィオレッテ Clos de la Violette
10 av., Aix-en-Provence Tel04 42 23 30 71マルセイユではその昔「フォンフォン」でとびきり美味しいブイヤベースを食べたことがあり、その味が忘れ難く再訪したかったが、今回はマルセイユ港からタクシーでエクサン・プロバンスまで足を伸ばし、プロバンスでも屈指の2つ星レストラン「クロ・ド・ラ・ヴィオレッテ★★」に行くことにした。
市街地から少し離れた住宅街の中のお屋敷。広い庭の一画にシェードが置かれ、その下にテーブルが10個ほど並べられている。陽の匂いと庭木の匂いがする。食前酒はSがシャンパーニュ、僕がヴァン・キュイ(Vin Cuit)というリキュールを飲みながら、ゆっくりとメニューを調べる。
「ウサギとアヒルのパテ」。2種類の肉の味がアンディーブとオニオンで包まれている。4つの素材はどれも強い味を持っていてハーモニーが楽しい。「サバ、アーティーチョーク、トマトの一品」。これは何と言ってもサバが素晴らしい。目利きが今朝マルセイユ港で最上のサバを仕入れてきてくれたんだなあと思う。「仔羊のロースト」「鳩のロースト」。どちらもカリっと焼かれた表面にナイフを入れるとじわっと肉汁が染み出て、肉を一切れ頬張ると口中で柔らかくとろける。肉の味はあくまでも濃い。羊は羊。鳩は鳩。曖昧さが全然ない。
ワインはエクサン・プロバンスの伝統あるシャトー・ド・ボーブレの赤(Chateau de Beaupre, Lamonica 2001)。地元の最高のレストランだからこのシャトーの最も出来がよいものを出しているに違いない。最高でした。
・・・ウサギもアヒルもサバも仔羊も鳩も、付け合せの野菜もすべて、プロバンスの太陽と土と海が産み出した最高の作品を選び出して、人間の手で素材ごとににぴったりの方法で必要最小限のプロセスを加えられて供されている、とでも言えばいいのだろうか。これと比べると南イタリアの上等の料理でさえオリーブオイル臭いと思えてくる。とにかく素晴らしい体験だった。オール・タイム・ベスト5に入ると言ってしまおう。
この日のキモノ
今日は白地に茶の幾何学模様の綿麻混のキモノにミンサーの半幅帯だ。行くレストランはミシュランの星二つで、今までの中で一番格が高いけれど、暑いのでこれでご容赦いただくことにした。レストランはガーデンにあって風が無い日だったし、昼間に石畳の町を歩いてけっこう汗をかいてしまったので、このキモノでもやっぱり暑かった。
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