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GWチャータークルーズ「高級小型グルメ船ポナン・ロストラル」6日目 瀬戸内海クルーズ
ポナン・ロストラルでの一番の体験はやはり、船の操舵室に入り浸れたことだ。ポナンでは乗客がいつでも、操舵室に入ることができる。ドアにグリーンの札が下がっていればOKで、航海中ほとんどそうだった。
それにこのクルーズの後半では、関門海峡や瀬戸内海を通って大阪まで行くのだ。高級日本船でしか通れないものだと思っていた瀬戸内海を、どんな風に航海するんだろう。期待は大きかった。
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操舵室に入ってみれば
操舵室は、5階の先頭にある。重い扉を開けると階段の踊り場になっていて、今までの寄港地のエンブレムがぎっしりとかけてある。左手の階段を降りると、操舵室のスタッフの居室があるそうだ。
踊り場の奥のもう一つの重い扉を開けて恐る恐る入っていくと、どうぞこちらにいらっしゃい、と船長。
私を操舵席に座らせてくれて、部下に命じて一緒に写真を撮ってくれた! 椅子はとっても高くて、上がるのが大変。シャッターチャンスを逃すまいと、もがきながら必死でよじ登ったよ。
関門海峡を通る時は赤札だったんだけど
4日目の深夜、関門海峡を通るころに行ってみた時には、ドアに赤札がかかっていた。がっかりして部屋に戻ったんだけど、後から聞いたらちゃんと入れたよという人がいた。ノックして入って礼儀正しくお願いしたら「静かにしているのならどうぞ」と船長が言ってくれたそうだ。
関門海峡を通る時は、部屋のベランダからも迫ってくる向こう岸と、触れそうな近くを対抗船が通るのが見えた。翌日明石海峡大橋をくぐる時の緊張ぶりを間近に見たので、深夜の関門海峡では操舵室はどんなに緊張していたか想像がつく。
瀬戸内海クルーズでは、パイロットが常駐
別府を出港しいよいよ瀬戸内海に向かう頃に操舵室に行くと、そこにはやたらと操船に詳しい背広姿の男性がいる。見学に来た乗客に航路とか船の操作のことなど丁寧に説明している。
船オタクのお客さんかな、こんな人いたっけな、と思いながら話を聞いていて、あっと思いついた。「もしかして、パイロットさんですか?」と聞くと、にっこり笑って「そうです」とおっしゃるその方。今頃わかったの?と笑う他のお客さんたち。
港の中の水先案内をするパイロットが、船に飛び乗ったり船から飛び降りるところは好きでよく見ていたけれど、こんなに近くでその人が見られて、お話までできちゃうなんて、すごく感激した。
大型船で外国をよく航海していたという元船長のパイロット氏は、二人体制で4時間交代で瀬戸内海航行をパイロットすること、翌朝8時半に明石大橋をくぐったあたりで大阪湾担当のパイロットと交代すること、など話してくれた。
瀬戸内海はマナー無視で船に近づいてくる小型船がけっこう多いので、パイロット業務もなかなか大変なんだそうだ。夜の10時半くらいにしまなみ海道を通るので、その美しい景色をぜひ見に来たらいい、と教えていただいた。
写真は操舵室のデスクの上にいつも広げてあった海図。いよいよ瀬戸内海を通る時のもの。
夜の操舵室から見た、しまなみ海道の橋と、満月
夜の操舵室は電灯もつかずに真っ暗だ。明るくしたら外が見えなくなるので当然なんだけど、明るい昼間とはまた違って厳粛な雰囲気になる。
パイロット氏に教わった通り、闇の中にしばらくいると目が慣れてきて、周りの景色が見えてくる。操舵室の計器ごしに見る夜のしまなみ海道は、とても美しかった。
翌朝の操舵室。瀬戸大橋から明石大橋へ
パイロット氏は常に一番前でナビゲーション。さりげなく、私も操舵に参加している気分。へへへ。
瀬戸大橋をくぐるところを見たかったんだけど、あっと目が覚めた時には船はもう淡路島の手前にいた。船の周りには小舟や貨物船がたくさんいて、操舵室内ではパイロット氏が一番前に陣取り、無線が飛び交い、ロストラルも汽笛を鳴らしたり進行方向を微修正したり、みんな緊迫している様子だ。
世界最大のつり橋明石大橋が、見えてきた!
いよいよ明石大橋をくぐる時には船長も登場した。私たち乗客は操舵室の後ろに並んで立ったり、横のデッキから海を見たり、操舵室を眺めたりしていた。
走行不安定なローカル船は、エンジニアがデッキに出て見守っていた。船の前を猛スピードでモーターボートが横切ったりもした。パイロット氏によれば、海外の湾ではあまり無いけれど、日本の小さな船はけっこうお行儀が悪いそうだ。
明石大橋をくぐればあとは広い大阪湾で、着岸の順番待ちとなる。大阪湾担当にパイロット業務を交代して、瀬戸内海担当パイロット氏たちふたりは帰って行った。
そして大阪港で下船
これでクルーズもほぼ終わり。8時半までに部屋を空け、10時半から下船開始となる。いつものオープンエアのビュッフェで朝食を食べたけれども、大阪の港はなんだかどんよりとして臭くて、あまり楽しくなかった。
運んでほしい荷物は朝7時までに部屋の前に出せばいいので、パッキングは楽だった。税関検査を通ったところにクロネコヤマトの受付けがあって、持ち歩くには重いトランクはすぐに預けることができた。割高だと評判の悪いSGムービングじゃないのに、行きの荷物は部屋まで届いたよ。
ポナン・ロストラルが小さいせいか、大阪港が巨大だからか、歩き始めて振り返ったら船はもう見えなかった。6日間のクルーズなんて短かったけれども、クルーズ気分はちゃんと味わえた。2016年のゴールデンウィークには、今度はポナン・ルソレアルが舞鶴-大阪間を9日間かけて巡るんだそうだ。それにまた乗るのもいいかも、なんてちょっと思ったりして。予算はともかく、思うのは自由だしね。
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翻訳系リサーチャー。夫のGはへろへろサラリーマン。 たまにしか行かれないクルーズ旅行も、30回を越えました。 このサイトについて
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